新しく家族の一員になった、だいち(大知)のことについて詳しく書きたいと思います。
写真:諏訪保健福祉事務所サイトに掲載されていた「とっつぁん」こと今のだいちの写真https://www.pref.nagano.lg.jp/suwaho/dobutsu/inuneko/joto.html
だいちは昨年2021年12月19日(日)の猫譲渡会がきっかけで正式に養子になりました。それよりもさかのぼること約1か月前(11月上旬)に、諏訪保健所を訪問したときが初対面です。
諏訪市には、合同庁舎の駐車場の一画に猫専用の収容施設があります。2017年からは致死処分ゼロという優秀な自治体です。
猫舎を訪れたときは、8匹の保護猫たちがいました。そのほとんどが1才未満の子猫たちのようです。実は、去る10月にも譲渡会があり、残念ながら、その際は里親が見つからなかった子たちです。(私たちは10月の譲渡会へは、先約があり、どうしても行くことができませんでした。)
その中で、職員の方から「とっつぁん」と呼ばれているひときわ体の大きなオスの成猫がいました。2か月ほど前(9月)に収容されたそうです。これが、だいちとの初めての出会いです。
写真:諏訪保健所の猫舎にいたときのだいちの様子
以前のブログにも書きましたが、左の後ろ足が完全に動かなくなっているようで、尋ねると屋外を散歩中に「トラばさみ」という罠にかけられたのかもしれないとのことでした。多頭飼育崩壊で飼い主が去り、置き去りにされてしまったかわいそうな子なのです。
どうして、「とっつぁん」と呼んでいるのですか?と職員さんに尋ねると、どうも、この猫舎の中で、他の猫たちの面倒をみていたそうなのです。もしかすると、ここに収容されている他の数匹の子猫たちと一緒に住んでいた「父親」の可能性があるとのことでした。
この「とっつぁん」と呼ばれている左後ろ足に障害を負った成猫を一目見て、なぜか私たち夫婦は気になって仕方がありませんでした。でも、その場では、養子にする判断は保留にせざるを得ませんでした。それは、この子が、エイズと白血病のウィルスのキャリアチェックがまだだったためです。
それからというもの、あの「とっつぁん」猫はどうしているかな、と毎日気になって仕方のない日々が続きました。
あの猫舎にいた子猫たちならば、まだ里親が見つかる可能性が高いだろうけど、成猫でハンディキャップのある「とっつあん」は、果たしてウィルスチェックした結果、もし万が一にも陽性だったら、また保健所へ返還してしまうのか、いや、そんな残酷なことはできるはずもない、と悩みに悩みました。
先住猫のふくちゃんとの相性もどうなんだろうということもあわせて、考えに考え、約1カ月間、家族で話し合った結果、もしこの猫がウィルスキャリアだったとしても、ふくちゃんと別室にしてでも飼い続けようと決意しました。
そして、12月19日の譲渡会の日に、「とっつぁん」こと、だいちを家族として迎えることになったのです。
その場で、「とっつぁん」を預かり、近所の獣医さんに連れて行き、さっそく、白血病とエイズの検査をしてもらいました。注射をしてもらう間とてもおとなしくて良い子にしていた「とっつぁん」ではありますが、結果が出るまでの待合室では心中まったく穏やかではありませんでしたが、結果は陰性で、夫婦でほっと胸を撫でおろしました。
だいちとふくちゃんとの初めての対面の様子は次回のブログでご紹介しようとおもいます。
ちなみに、後日知ったのですが、12月19日の譲渡会では、収容されていた8匹の猫のうち、6匹に対して里親が見つかったそうで、本当に良かったと思います。
◇参考情報
「令和2年度長野県における猫の引き取り等の状況(長野市を除く)」によると、令和2年には、県内で保健所に保護された子猫のうち8割の命が救えるようになったものの、成猫はいまだに半分以上が致死処分されているという現実があります(※註)。
画像:「令和2年度長野県における猫の引き取り等の状況(長野市を除く)」カッコの数値は、令和元年度。出所:https://www.pref.nagano.lg.jp/shokusei/kurashi/aigo/aigo/neko.html
ちなみに、長野市が前述の統計に入っていない理由は、市民ボランティアと協力しながら致死処分をゼロにしているためのようです。また、ふるさと納税制度などを活用して「動物たちの命を守るプロジェクト」という基金を設立しています。
※註:令和2年度、長野県の猫(成猫・幼猫合計)の致死処分率は28%に対して、全都道府県の平均は44%だそうです(出所:環境省の公表資料)。
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