[写真] 新潟県・弥彦山山頂近くのベンチで水を飲むだいきちとふくちゃん
実は、ネコ連れで眼鏡岩海岸を散歩していたとき、万が一、ネコたちが大波でも浴びて海水を飲んでしまったらどうしようと、内心では少しビクビクしていました。
[写真] 新潟県・笹川流れ・眼鏡岩付近の岩礁で散歩するだいきち
その一番の理由は、ネコは汗をかかないことから、「ネコは腎臓で塩分を排出する能力が低いはず。きっと海水なんて飲んだら病気になるに違いない」と思い込んでいたからです。
[写真] 笹川流れ・眼鏡岩付近で海を見つめるだいきち
実際に、ネコがかかりやすい病気の第1位は、慢性腎不全などの "泌尿器系の病気" [引用:アニコム損保「家庭どうぶつ白書2015」] という調査結果もあります。
そんなとき、私の固定観念を覆す驚くべき情報が。
英語版のウィキペディアを調べていたら、このような記述がありました。
ネコの腎臓機能は非常に効率がよく、水をあえて飲まなくとも肉食だけで生きていけますし、海水を飲んで水分補給ができてしまうほどです。
(Their kidneys are so efficient, they can survive on a diet consisting only of meat, with no additional water,and can even rehydrate by drinking seawater.)
[引用:Wikipedia.org, "CatーPhysiology" (日本語文翻訳は筆者)]
実は、海水で水分補給できてしまうほど、ネコの腎臓の塩分濾過機能は優れている~!聞いたことなかったあ!
[写真] 笹川流れ・眼鏡岩付近で海を見つめるふくちゃん
因みに、上記のWikipediaの「ネコは海水を飲んでも平気説」の学術的根拠は、権威ある生理学のジャーナルに掲載された論文 [Wolf, A. V. (1959)] と、ネコの栄養学に関する専門誌 [Committee on Animal Nutrition (1986)] の資料の中にあります。
どうしてこういう進化をネコが遂げたのか。あらためてよく考えてみると、なるほど、とも思えます。
そもそも野生のネコは、サバンナなどで小動物を捕食して生きています。この新鮮な獲物の体には、水分が60~70%も含まれています。乾燥地帯に生息していたネコは、獲物に含まれる水分のみで脱水症状に陥らずに生きてゆけるように環境へ適応したのです。[Dwilson Dube Stephanie, 2016]
一方で、ネコ用のドライフードは、腐敗を避けるため水分量が10%程度に抑えられています。ですから、室内飼いのネコは、野生のネコよりも、潜在的に「水分不足」の危機に晒されがちかもしれません。
愛ネコたちのためにも、旅をしながらも、水分補給には十分気を付けたいとおもった今日この頃なのでした。
【参考文献】
1) Dwilson Dube Stephanie. "Surprising Facts About Cats And Their Weird Relationship With Water". (TotallyHer Media, LLC, an Evolve Media, LLC company) 参照日: 2016年9月13日, 参照先: CATTIME.com: http://cattime.com/cat-facts/11135-surprising-facts-about-cats-and-their-weird-relationship-with-water
2) Wikipedia. "CatーPhysiology". 参照日: 2016年9月13日, 参照先: Wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/Cat#Physiology
3) アニコム損保「家庭どうぶつ白書2015」. 楽天の保険. 参照先: "猫のかかりやすい病気ランキング": https://hoken.rakuten.co.jp/pet/ranking/cat/disease/index.html
4) Wolf, A. V. (1959). "Potability of Sea Water with Special Reference to the Cat". American Journal of Physiology. 196 (3): 633–641. PMID 13627238.
5) Committee on Animal Nutrition (1986). Nutrient Requirements of Cats (2nd ed.). National Academy Pr.
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