ネコがサカナ好きのようなイメージがあるにもかかわらず、サカナばかり食べるのは健康によくないという説があります。
[写真] 新潟県・笹川流れの眼鏡岩の前でパシャ!
詳しく調べてみました。
※ちなみに、今回の投稿文中の挿絵のイラストは、旅にゃんこ一家のママさんが描きました (*^_^*)
◇ チアミン欠乏症の原因に?
全米最大のペット情報サイト "petMD" は、著名な獣医師たちが、ペットに関しての健康や病気や食事などあらゆる情報を直筆の署名付きで掲載していることで有名です。
ここの投稿者、獣医師ジェニファー・コーツ博士の記事によると
ネコはおやつとして毎日少量のツナ缶を食べる程度は良いが、魚食が食事の大部分を占める場合、チアミン欠乏症のリスクがあります。
[Dr. Jennifer Coates. (2013年)]
という見解を出しています。
ちなみに、「チアミン(ビタミンB1)欠乏症」は、生魚に含まれる「チアミナーゼ」と呼ばれる酵素が、体内のビタミンB1を破壊することで発症するものです。
◇ 食物アレルギーのリスクが増える?
また、コーツ博士の調査では、魚はネコの食物アレルギーの原因になりやすいとのことでした。
ネコ56匹を調査したところ、牛肉(29%)、乳製品(29%)に次いで、魚(23%)は3番目にアレルギーの発症比率が高いという結果になりました。
[Dr. Jennifer Coates. (2013年)]
と自身の調査結果をまとめています。
◇ 青魚の摂りすぎにはご注意を
実は、サカナといっても、とりわけ「青魚」、イワシ類・サバ類・サンマなどの「背の青いサカナ」の取りすぎに気を付けて、と警鐘を鳴らす獣医師もおられます。
猫専門病院 "Tokyo Cat Specialists" 院長の山本宗伸獣医師は、
この不飽和脂肪酸は分解する時にビタミンEを大量に消費するため、青魚ばかり食べていると、ビタミンE不足になり、その結果脂肪が黄色に変色する黄色脂肪症という病気になってしまいます。
[引用:山本宗伸 2016]
と述べています。
ちなみに、「黄色脂肪症」とは、猫の腹部や胸部にたまった皮下脂肪が酸化して変性し、炎症を起こす病気です。
◇ ネコの魚食を過剰に心配する必要はありませんが・・・
黄色脂肪症の原因とされる不飽和脂肪酸というのは、実は「悪玉」ではありません。 サプリメントにもある「DHA」や「EPA」も不飽和脂肪酸の一種です。
動脈硬化や心筋梗塞の予防や脳の活性化、アレルギー症状の緩和など、多岐にわたって効果を発揮する体にとって欠かせない成分です。
偏った食生活をしない限り通常は発症しないので、現在では非常に稀な病気です。
[山本宗伸 2016]
ということですので、毎日の主食が魚ばかりといった極端に偏った食事さえ避ければ、過剰な心配はご無用だといえるでしょう。
[写真] 新潟県・弥彦山ロープウェイの鯉とふくちゃん
ふくちゃん、そのさかなさんたちは、食べ物ではありませんよ (*^_^*)
【参考資料】
Dr. Jennifer Coates. (2013年7月26日). Of Cats and Fish. 参照先: petMD: http://www.petmd.com/blogs/nutritionnuggets/cat/jcoates/2013/july/is-fish-bad-for-cats-30648
Joseph Harari MS, DVM, DACVS. (2013年5月). Yellow Fat Disease. 参照先: MARCK VETERINARY MANUAL: http://www.merckvetmanual.com/mvm/musculoskeletal_system/myopathies_in_small_animals/yellow_fat_disease.html
山本宗伸. (2016年1月30日). "猫に与えてはいけない魚介類を獣医師が解説". (株式会社マイナビ, 編) 参照日: 2016年9月13日, 参照先: マイナビニュース: http://news.mynavi.jp/news/2016/01/30/086/
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2016.09.19 14:51
2016.09.19 02:04