だいきちが天国へ旅立ちました

久々の投稿でとても悲しいお知らせをしなくてはなりません。

【写真】だいきち最後の旅となった、静岡県・杉尾山の山頂にて


2021年6月23日午前5時30分、愛猫だいきちが天国へ行きました。

享年約15才6か月でした。


命を預かった瞬間から、頭の片隅には覚悟していたつもりです。でもその日を迎えるまで、こんなに早くその時が来るとは信じられませんでした。


実際に、ほんの半年前まで、15才とは思えない体力で、妹分のふくちゃんとも追っかけっこして元気に走り回っていましたので。


だいきちは扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)を患いました。アゴの骨にこの癌が転移し、患部から失血したことが直接の死因です。


もっと早く病気に気づいてやっていれば、またもっと早く腫瘍の治療を始めていれば、この死は防げたのではないかという後悔が、飼い主である私たち夫婦の心には残っています。そして何より、どうしてこんな病気でだいきちが亡くなる必要があったのか、そして、これにはどんな意味があったのだろうか、と考える時、やはり今回の体験を書き残すことで、同じようなペットの病気に悩む方の治療の励みになればと思い、ブログを更新させていただくことにしました。


◆食欲減退の原因がわからず長野から東京へ

だいきちの闘病の始まりは年始からになります。年始早々にくしゃみをし始めたため、地元の動物病院(長野県)へ診察に行きました。低体温症になっており、肺炎と診断されました。それは1月4日のことでした。


その後、しばらくして通常の体温に戻り肺炎も治ったのですが、何故かだいきちは少しずつ痩せていきました。いつものカリカリと一緒にだいきちの大好きなウェットフードを食べさせたり、お水ではなく温かい白湯を飲ませたりと色々工夫しましたが、体重の減少は止まりませんでした。


地元の獣医さんで診察をし、血液検査をしたものの、体重減少の原因は突き止められませんでした。1か月後にまた来てくださいと言われて、再び1か月後に血液検査をしましたが、原因は特定できませんでした。


◆犬猫専門の鍼灸師さんが口腔内の異常を指摘

昨年9月に東京から長野県へ転居していた私たち夫婦は、だいきちを連れて再び東京に戻ることを決意します。検査や治療のために様々なアプローチをしないといけないと考えたのですが、転居先の長野県では選択肢が少なすぎたためです。


東京の自宅近くの犬猫専門の鍼灸院「方歆(ほうきん)犬猫治療院(東京都渋谷区)」さんで、食欲増進のツボを刺激する鍼治療をしてもらいながら、だいきちの身体の「気の流れ」を診ていただきました。すると口腔内に異常があるから獣医さんで精密検査をしたらよい、と助言をいただきました。


そこで東京のだいきちの主治医さんに診察してもらいました。ところが、触診でも血液検査でも特にこれといった異常は見つかりませんでした。


◆ついに癌だと診断される

2021年2月28日、私たちは都内で猫専門の治療を行っている大きな病院を訪問しました。そこでも、まずは血液検査で様子を診ましょうと言われたのですが、先の鍼灸師さんの言葉を信じ、口腔内を調べてくださいと力説しました。そこでやっと、担当医さんが触診によりだいきちの左のアゴの骨がやや膨らんでいることに気づき、レントゲン写真により左アゴの骨に腫瘍らしきものがあり、かなり進行してしまっていることがわかりました。担当医さんの見立てにより、病名は「扁平上皮癌」だろう、とされました。


また、扁平上皮癌がアゴの骨に転移している場合、アゴ全部と舌の摘出以外に治療法が無く、抗がん剤や放射線もほぼ効かないと告げられました。ただし、詳しい病理検査をするのにも、手術をするのにも、全身麻酔が必要だが、年齢を考えると麻酔から目覚めない可能性も高いと言われました。


これを聞いて頭が真っ白になってしまった私たちは、手術はあきらめました。ネット検索などの情報網を駆使し、この病気の治療法に詳しそうな人を訪ね歩くことになります。そして、なんとかだいきちを治療する方法を見つけようと、暗中模索する日々が続きます。


◆様々な免疫力向上系サプリを試す

そんなときに、知り合いの整体師さんからの紹介で、水素サプリなどを使った自然療法を行っている「なないろ動物病院(横浜市)」の土居先生とお会いすることができました。先生のアドバイスを受けつつ、水素サプリ(富士水素プレミアム)ホモトキコロジー乳酸菌(11-1)を使って、ガン細胞に対抗できる免疫力を上げる治療を開始しました。

その後も、こちらの病院の土居先生には、お電話でのケア相談に応じていただいたり励ましのメールをいただいたり、その後も大変親切にしていただきました。


◆神社参拝、そしてヒーリングや気功・・・

私たち夫婦は、だいきちが病気になってからというもの、毎日欠かさず神社に参拝しました。


また、知人を介して、アニマルコミュニケーションの能力もお持ちだという獣医師さんと出会い、その方の遠隔ヒーリングを定期的に受けました。またペットへの気功治療に実績のあるという、何人かの気功師さんにもお願いして、遠隔での気功も幾度となく受けました。他にも、この分野では有名ないくつかのヒーリングのグループにもお願いし、国内外の所属メンバーのみなさんに遠隔でのヒーリングも、幾度となく施していただきました。


ヒーリングや気功も含め、こうした前述のスピリチュアルなアプローチが、どう愛猫の病状に直接の効果があったのかは、もちろんわかりません。飼い主である私たち夫婦の気休めといえばそれまでです。しかしながら、とにかく当時はだいきちの病気の改善につながるのであれば、偏見は一切捨て、私たちができることならば、どんなことでもしようと思っていたのです。


そんな努力もむなしく、だいきちの食べられるものはどんどん少なくなっていきました。カリカリが食べられなくなってしばらくして大好きなウェットフードでさえ食べられなくなりました。そこでウェットフードを細かく砕いて手で食べさせていましたが、次第に粒子が荒いものは喉を通らなくなり、 “ちゅーる”や“健康缶”等の、粒子が細かく粘度の低いエサしか受け付けなくなりました。そして指から食べることも嫌がるようになり、給餌の時間になると逃げるようになったため、ついにシリンジによる強制給餌をはじめることになりました。


◆食事ができなくなり、鼻カテーテルを入れて下さる動物病院がみつかる

5月中旬、患部のアゴだけでなく、のどの周囲も腫れはじめ、ついにだいきちは自力でウェットフードを舐めることも、水を飲むこともできなくなってしまいました。


それでも栄養さえ体に入れることができれば、腫瘍へのアプローチを集中的に行うことができると信じた私たちは、一縷の望みにかけて、鼻カテーテルを通して流動食を与えることを決意しました。ネット検索から得た情報で、食欲不振になった猫ちゃんを救い、治療に専念できる手段だと知ったからです。


ところが、東京の自宅に一番近くの獣医さんに相談すると、全身麻酔でないとカテーテルは通せないし、麻酔は二度と目覚めない可能性がある、カテーテルを入れることができても1週間ももたないだろうと言われました。そしてあきらめるよう説得されましたが、どうしてもあきらめきれなかった私たちは、再び他の病院を探すことにしました。


その結果、やっと1軒だけ、麻酔無しで鼻にカテーテルを通していただける動物病院「リトルピース動物病院(東京・中野区)」がみつかりました。こちらの齋藤先生が、だいきちに苦痛も与えることなく素早くだいきちの鼻にカテーテルを取り付けてくださいました。


齋藤先生には、その後もセカンドオピニオンなどで大変お世話になりました。


◆「統合医療」の獣医さんの治療を受けたのが転機となる

ここまで、腫瘍が大きくならないよう、だいきちの免疫力をあげる試みをしてきましたが、腫瘍が大きくなってしまった以上、腫瘍への別のアプローチが必要と感じました。


そこで、インターネットで検索して、「もえぎの動物病院(横浜市)」の存在を知りました。


こちらでは、西洋医学に加え、東洋医学(自然療法・代替療法)を合わせた「統合医療」を行っている珍しい動物病院です。


私たちはこちらへ通院することを決め、悪性腫瘍の抑制効果に関して医学的な文献もある「ルペオール」という薬剤と、ヒトのガンの抑制にも使われている「丸山ワクチン」の皮下注射、そして高濃度ビタミンC点滴オゾン療法温熱療法(ハイパーサーミア)といった癌治療を、約一日おきに行いました。


そして、ガンの抑制効果があるという冬虫夏草(プライオ)乳酸菌生成物質(SUPER SOPHIA)を処方サプリメントとして追加しました。その他にも処方していただいた、流動食が原因の便秘や、貧血のためのサプリメントがとても効果があり、とても助かりました。


こちらの後藤先生には、だいきちが吐血したときの止血処置など、最後の最後まで面倒をみてくださり、ほんとうに感謝しております。


◆そして最後に行き着いたのが光免疫誘導療法

後藤先生との会話の中で、先生の病院ではやっていない光免疫誘導療法と呼ばれる治療法があることを知りました。鳥取大学等で動物臨床研究として実施されているICG修飾リポソーム(ICG-Lipo)を用いた新しい癌治療法です。通常の抗がん剤治療のような副作用が少なく、治療効果も高いというのが特徴です。


動物病院で行っているところは数少ないということでしたが、ネット検索で調べたところ、「野村獣医科Vセンター(東京都中野区)」でこの治療を行っていることを知り、その日から毎日通院しました。


そして治療を開始して2週間が経過したころには、腫瘍がかなり縮小してきていました。血液検査の結果も良好で、治療の効果が現れてきましたね、と担当医さんたちと喜んでいた矢先でした。


腫瘍が小さくなると同時に、腫瘍内の脆くなった血管からの出血が止まらず、ついに他界してしまったのです。


残念な結果にはなりましたが、担当してくださった、野村医院長、落合先生、和田先生、私たちの強い思いに応え、できる限りの手を尽くしてくださってほんとうに感謝しております。


◆だいきちの最後は、ほんとうに誇らしいジェントルマンでした

だいきちの最後の2日間は壮絶でした。吐血を何度か繰り返したため、私たちは止血のために様々な手をつくしましたが、短期間にあまりにも血を失いすぎてしまいました。


ピンク色だった肉球や鼻が真っ白になり、もうふらふらだったにもかかわらず、トイレできちんと便をしてから数分後に私たちの手の中で亡くなりました。トイレ以外では粗相をしたことのないだいきちは、最後までジェントルマンを貫き、ほんとうに素晴らしい子でした。

振り返ると、だいきちと一緒に生活できたこの15年間はかけがえのないものでした。原稿執筆時点では、だいきちの死の悲しみからはまだ完全には抜け出せていませんが、幸いにも、だいきちと過ごした楽しい日々は、写真集やSNS等の媒体を通じたくさんの写真や動画として残せています。だいきちの死を悼んでくださった世界中のフォロワーの皆さんから、たくさんの弔辞の言葉をいただけたことも、私たちの心の救いになっています


生前、「旅にゃんこ」だいきちのことを知ってくださり、愛してくださったみなさん。ほんとうにありがとうございました。だいきちの相棒のふくちゃんと一緒に、いつかどこか旅先でお会いできる日が来ますよう心より願っております。


※追伸

なお、「だいきちの最後の旅」の様子は、以下のキャンプカーマガジン7月号に、写真つきで詳しく掲載していただきました。機会があればぜひ目を通してくだされば幸いです。


旅にゃんこ だいきち&ふくちゃん - The.Traveling.Cats

「トラベリングキャッツ」こと、旅にゃんこ「だいきち&ふくちゃん」の旅行記です。「イカロス出版」「マキノ出版」より写真集発売中。

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