旅にゃんこ一家は現在、種子島・鉄浜(かねはま)海岸にきております
砂鉄が多いことから名づけられたこの浜から伺えるとおり、歴史的に鉄砲鍛冶などの鍛冶業がこの島に発展したのも、土壌にたくさんの良質な鉄が含まれていたことに依ります。
さて、突然ですが、明け方、ある「奇跡」がおきたので、皆さんにご報告したいとおもい投稿いたしました。
結果として、奇跡と申し上げましたが、これは、ほんとうは飼い主として起こしてはならない、不注意による事故でした。
特に、ペット連れで旅をするのを習慣とする私たちには、絶対にあってはならないこと。 この自戒を込めた記録としてこのブログを書きました。
ペットと旅する皆さんは、今回の私たちの出来事を反面教師として、このブログをお読みくださればと思っております。
◇ 8月18日午後0時半 ふくちゃんが藪の中へ逃げ込み行方不明に
鉄浜海岸は、種子島のサーフィンスポットだけあり、波が荒いことで有名です。
パパがふくちゃんを連れてこの浜を散歩しようと、ストラップを装着する前にふくちゃんを砂浜に下しました。
すると、ちょうどその時、高波が背後に迫り、ざぶーん、ばしゃーんとひときわ大きな音を立てました。
ふくちゃんがびっくりして逃走したあたりの景色
ふくちゃんがその音にびっくりして、たちまち、覆い茂った藪の中に猛ダッシュで逃げ込んでしまったのです。
そこは、10メートル以上もある岸壁の、急斜面の藪の中です。
パパもとっさの出来事で、ふくちゃんをその場で捕まえきれず、走って追いかけましたが、藪の中に逃げ込んでしまって、必死の駆け足でも追いつけませんでした。
◇ ふくちゃんを完全に見失う・・・パパとママは体力の続く限り藪の中を捜索
パパは死に物狂いで、ふくちゃーん!ふくちゃーん!と叫びながら藪の中を分け入りました。
藪を素手でかき分けながら急斜面を登りきると1度だけでもかなりの体力が奪われましたが、そこをまた下っては、少し位置を変えては上る・・・ということを繰り返しました。
素手で藪をかき分け続けたために擦り傷だらけに
ママは、ふくちゃんが藪の中から脱出しているかもしれないことも考えて、周囲にある小道の付近を中心に探しました。 ママは、それと同時に、道々にある近所のお宅数件、そして陶芸店さんや、レストランを一軒ずつ訪問し、東京から連れてきた飼い猫が行方不明になったので、見かけたら教えてほしいと告げて回りました。
このとき、お会い下さった皆さんは全員、労いの言葉をかけてくださり、中には一緒に捜索に加わってくださる方々もおられました。以前、飼い猫が行方不明になり辛い思いをしたことがある方々もいらっしゃったようです。
皆さんの情に触れた瞬間、これまで沈んで疲れ切っていた心に光明が差した思いがしました。
◇ 山口県の行方不明2歳男児のニュースが頭をよぎる
時を同じくして数日前山口県で、行方不明だった2歳の男児が山中でベテランボランティアの方に発見されたニュースを思い出しました。
ああ、あの子の親御さんも、こんな思いをしながら必死で子供を探していたんだろうな・・とパパとママは、口には出さねどおぼろ気ながら同じことを考えていました。
このままふくちゃんと会えなかったらどうしよう・・・そう考えると涙があふれてたまらなくなりました。
行方不明になった崖のいちばん上
気が付けば、捜索開始から10時間がたち、夜が更けてからは懐中電灯のみでの探索では気力、体力ともに限界を迎えようとしていました。
仕方なしに休憩しようとしぶしぶ車まで戻ったら、気が抜けてしまい、パパとママは思わず涙がこらえきれなくなり、しばらく号泣してしまいました。
横でこの様子を見ていただいきちも、不安そうにパパとママの顔のそばに近づいて、元気だせよとぺろぺろ舐めてくれました。
その後深夜になっても1時間かけて探しては、30分ルーフテントの中で仮眠、という繰り返しをしようと二人で話し合いましたが、じっとしてしまうとふくちゃんとの思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡り、辛くなってしまって横になろうとも休憩どころではありませんでした。
◇ 8月19日明け方午前3時半 ふくちゃん、なんと、自力で車へ戻ってくる
何度目になるでしょうか、ママが「またふくちゃんを探しに行きましょう」とパパに声をかけました。
パパがルーフテントから降りて、車の中をみたところ、なんと、ふくちゃんが車の中に格納しているバギーの中にちょこんと座っているではないですか!
パパは嬉しさのあまり泣きながらママへ大声で叫び、パパとママは抱き合ってふくちゃんの生還を喜びあいました。
ルーフテントへふくちゃんをいれると、だいきちもうれしそうにふくちゃんのそばに寄って舐めていました。
◇ ふくちゃんが自力で戻ったルートについて
しかし、ふくちゃんはどういうルートで車へ戻ってこれたのでしょうか。 藪を登り切った場所には、宿泊施設があります。
ここの軒下には、広いスペースがあり、野良猫が逃げ込むには格好の場所のように思えるのです。
しかし、ここはふくちゃんの失踪当初から何度も捜索しており、ふくちゃんの好きな段ボールやカゴを置いたのですが、使われた形跡はありませんでした。
そうなると、この坂道を歩くルートが考えられます。ここはコンクリートの狭い道になっています。
ふだんからふくちゃんは道沿いに歩くことが大好きなので、ここを通った可能性が高いと思われます。
その証拠が、ふくちゃんの付けているハーネスにありました。
新調したばかりのハーネスのメッキが地面で引きずられたせいでまんべんなく剥げて地金が露出していたのです。
もし藪や芝の上を走り回っただけだとしたら、こんなふうにはならなかったでしょう。
つまり、ふくちゃんは失踪から発見までの約15時間、ずっと車を探して歩き続けていたのかもしれません。
ふくちゃんはどうやらこの窓のわずかな隙間から車内へ侵入したようです
この出来事がきっかけで、猫たちとのきずなはこれまで以上にしっかり結ばれたことは言うまでもありませんが、一方で、ストラップの装着ミスは完全に飼い主としての義務を怠っていたことは、今後、反省すべき点です。
今回のふくちゃんの捜索にかかわってくださったすべての方々、そしてふくちゃんを最後まで守ってくださった種子島の神様に深く感謝をしました。
6コメント
2018.08.22 00:39
2018.08.21 23:25
2018.08.20 03:17